2010年01月 / 12月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫02月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2010.01.27 (Wed)

課題曲レポート ”交響的譚詩 ~吹奏楽のための”

今回は、露木正登氏による、1996年の課題曲V

交響的譚詩 ~吹奏楽のための

です。

中沢けい著『楽隊のうさぎ』でも課題曲として演奏される、あの曲です。

この曲は
Symphonic Ballade for Band
という英語名ですが、俗に言うような「バラード」をイメージして聴くと、とんでもないことになりますのでご用心。

この曲は、非常にパワーを持ち合わせつつも、陰鬱な表情がうかがえる曲です。
ただ、「饗応夫人・・・」のように、操り人形のような、精神的に狂ったような感じではなく、
(のちに出版された「饗応夫人・・・」の完全版での東京佼成の演奏における最後のアルトサックスのビブラートはとても印象的ですね)
あくまで感情が支配しているような曲です。

作者が言うところの「主情的な」レントと「客観的な」アダージョからなる緩徐部には、美しさがあります。
冒頭は激しく、そして、感情いっぱいで印象的に歌い上げるトランペットを合図に、一気に静かになります。
そこからは、あくまで冷静に。しかし、静謐さの中からも、段々と何かがこみ上げてきます。しかし、それは、ずっと押さえつけられているように、冷静で居続けようとします。
しかし、その感情はピークに。ティンパニを筆頭とした打楽器群の合図を皮切りに、一気に感情が前面へ。

感情に支配されるまま、アレグロへと突入。
リズミカルで、強迫にせきたてられるような、アレグロ。

そして、曲のテンションはどんどん高くなっていきます。
打楽器群が支配しているような感じもします。

一度、またアダージョ部分のような雰囲気が訪れ、その後冒頭が再現されたと思いきや、すぐにアレグロへと戻り、そして、何も解決しないまま、曲の終焉を迎えます。


難しい曲ですが、まあ、田村文生氏のあの曲に比べると、曲の理解も、アナリーゼもやりやすいとは思います(それでも団栗の背比べ)。

僕にとって、田村文生氏の曲は、和音が印象的です。あのスペクトル和音が特に。


露木さんの「交響的譚詩・・・」は、やはり冒頭の印象が強烈です。また、冒頭に対しての印象的なソロの美しさもあるように思います。


こんな曲をいとも簡単に演奏したような、『楽隊のうさぎ』で主人公が通っている中学校の吹奏楽部はすごいですね。

『楽隊のうさぎ』は、中学入試などでよくお目にかかった文章ですが、センター試験で出題されましたね。びっくりです。

それでは。
スポンサーサイト
22:46  |  課題曲-music  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2010.01.17 (Sun)

課題曲レポート ”コーラル・ブルー 〈沖縄民謡「谷茶前」の主題による交響的印象〉”

遂に2010年の課題曲も発表されましたね。
その課題曲IIIが、沖縄を題材としたポップス系の曲で、この曲を聴くと思いだされる曲が、今回紹介する曲です。

今回は、真島俊夫氏による、1991年の課題曲B

コーラル・ブルー 〈沖縄民謡「谷茶前」の主題による交響的印象〉

です。

「谷茶前(たんちゃめ)」は、結構有名・・・なんじゃないですかね?一般知名度はよくわかりませんが。
聴いたことぐらいはあるんじゃないですか?

ちなみに、2010年課題曲III、"吹奏楽のための民謡「うちなーのてぃだ」"は、「てぃんさぐぬ花」(←鳳仙花ですね)が主題として用いられてます。もしかしたらこちらの方が有名かもしれませんね。

さて、コーラル・ブルー。「コラール」じゃないです。「コーラル(coral)」は、サンゴのことです。

真島氏は、New Sounds in BRASS なんかでも編曲者としてよく名前を見かけますが、課題曲では3曲が採用されていて、そのうちの1曲がこの曲です。

沖縄といえば、琉球音階ですが、琉球音階を用いた音楽は、みなどこか似たような音楽になりがちです。音階そのものが、特徴的なものですからね。
しかし、この曲はその琉球音階を「縛り」としてとらえるのではなく、琉球音階をも「真島ワールド」へと引き込んだ、作曲者の色が存分に出された作品となっています。

コーラル・ブルーは色彩豊かな曲であり、場面の展開もまた鮮やかで、たった4分半の間に、壮大な世界が広がっています。映画音楽なみの世界を感じました。
そして、何といっても特徴的な和音。ちょっぴりジャジーなサウンドは、真島氏の持ち味じゃないでしょうか?

難易度は決して低くはないのですが、楽しくて、会場全体をとりこんでしまうようなサウンドは、演奏会にもピッタリです。


課題曲としての演奏だけで終わってしまうのはもったいない曲ですね。


・・・そんな曲はたくさんあります。
まあ、そのような理由から、このように多くの課題曲を紹介しているんですけどね。

それでは。
22:51  |  課題曲-music  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2010.01.05 (Tue)

課題曲レポート ”ブライアンの休日”

たまには最近のものでもやってみましょう。

今回は、内藤淳一氏による、2008年の課題曲I

ブライアンの休日

です。


かつてのカッコいい課題曲、「吹奏楽のためのインヴェンション第1番」から四半世紀。
5曲目の課題曲、そしてマーチとしては4曲目の課題曲。

1999年、2001年とマーチの年二回連続での朝日作曲賞(現在は規定のため有り得ません)、また内藤氏の名前を聴かなくなったかと思いきや、2008年、またもや朝日作曲賞での登場。

(「ブライアンの休日」の話までもうしばらくお付き合いください)

一応、その5曲を挙げると、
1983 A 吹奏楽のためのインヴェンション第1番
1997 II マーチ「夢と勇気、憧れ、希望」
1999 I マーチ・グリーン・フォレスト(第9回朝日作曲賞受賞)
2001 I 式典のための行進曲「栄光をたたえて」(第11回朝日作曲賞受賞)
2008 I ブライアンの休日(第18回朝日作曲賞受賞)

ですね。
松尾善雄氏に並ぶ勢いです。
ついでに、松尾氏の作品も。
1987 E マーチ「ハロー!サンシャイン」
1991 D そよ風のマーチ
1996 III クロマティック・プリズム
1998 I 童夢(第8回朝日作曲賞受賞)
2003 III 行進曲「虹色の風」
2005 I パクス・ロマーナ(第15回朝日作曲賞受賞)
2007 V ナジム・アラビー

(※ちなみに、第1回朝日作曲賞は1991年の課題曲です。)

二人とも、全曲が公募入選というのが凄すぎる、といったところです。

これらの曲は、機会があればまた紹介していきます。

ブライアンの休日
・・・クイックマーチでありながらも、落ち着いて聞けますね。
この曲での秋晴れの爽快さは抜群。

こんな感じで、シンプルな曲もいいですね。
色々と詰め込まれた曲も面白いのですが、この曲はリラックスできます。

とはいえ、トランペット奏者にはリラックスなんてできないのでしょうけれども。

内藤氏の課題曲は、どの曲もすっきりした、いい気持ちで聴き終えられますね。
前方に視界が開けている感じです。



それでは。
22:33  |  課題曲-music  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。