2017年08月 / 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2012.01.13 (Fri)

平清盛

大河ドラマ放送50年目、51作目の今作、『平清盛』。

作:藤本有紀
音楽:吉松隆

《テーマ音楽》
指揮:井上道義
ピアノ:舘野泉
演奏:NHK交響楽団

今年も原作なしのオリジナル作品ですね。
平清盛が主人公となった作品は、『新・平家物語』以来40年ぶり。
『新・平家物語』の音楽は冨田勲さんが担当されていました。シンセサイザーなんかでも有名ですね。冨田勲さんの大河ドラマテーマ曲なら、『勝海舟』なんかが僕は気に入っています。
やはり、平家を描く時は、武士らしさよりも、むしろ雅やかな雰囲気を前面に出すのですね。

さて、今回の音楽を担当しているのは吉松隆さん。NHKのサイトに書いてあるプロフィールを引用させてもらいます。

1953年(昭和28年)東京都生まれ。
少年時代は漫画家や科学者に憧れていたが、中学3年の時に突然クラシック音楽に目覚める。一時松村禎三に師事したほかはロックやジャズのグループに参加しながら独学で作曲を学ぶ。いわゆる「現代音楽」の非音楽的な傾向に異を唱え、調性やメロディーを復活させた「新(世紀末)抒情主義」を提唱、5つの交響曲や9つの協奏曲を始めとするオーケストラ作品、「プレイアデス舞曲集」などのピアノ作品の他、ギター作品、邦楽作品、舞台作品など数多くの作品を発表。クラシックというジャンルを越えた幅広いファンの支持を得る。 満を持しての大河ドラマ音楽担当、久しぶりのクラシック界からの待望の作曲家起用である。
(近作) 2009年、映画「ヴィヨンの妻」で日本アカデミー賞音楽賞受賞。
2010年、CD「タルカス~クラシックmeetsロック」発表。


どのプロフィールを見ても、だいたい同じようなこと書いてますね。そりゃそうか。

吉松さんのデビュー曲は、『朱鷺によせる哀歌』。僕の好きな曲の一つです。テーマがテーマだけに、暗い気持ちの時に聴くのはあまりオススメできませんが、とても哀しい曲でありながらも、澄んだ美しさに満ち溢れた曲です。
CD『タルカス~クラシックmeetsロック』、ようやく買いました。『題名のない音楽会』で『タルカス』(ELP)のオーケストラバージョンを聴いてから、ずっと欲しかったんですけどね。

さて、『平清盛』テーマ音楽の話に移りましょう。
ピアノ演奏は、舘野泉さん。世界的ピアニストです。近年、右半身不随になりながらも、「左手のピアニスト」として復帰された方です。とても優しい音色を奏る方です。
この方も、『題名のない音楽会』に出演されてましたね。吉松さんが舘野さんのために作曲された『左手のためのピアノ協奏曲「ケフェウス・ノート」』も演奏されていました。

話を戻しましょう。

この曲は、吉松さんが作った「平清盛」「源氏」「朝廷」「遊びをせんとや生まれけむ」のモチーフをもとに構成されています。

モチーフ


吉松さんの言葉を引用しましょう。(全てhttp://yoshim.cocolog-nifty.com/office/より)

「平清盛」
これは音楽部分の基本モチーフ(運命のモチーフのようなもの)。全体の半分近くがこの動機の変奏で出来ていると言ってもいいくらい頻繁に出て来る。
原形は、一番最初にイメージ画像として見せてもらった「青竜刀を持ってそそり立つ若き清盛」の姿から生まれたもので、刀をすらりと抜き、雄叫びを上げるイメージから来ている。


「源氏」
対する、ライバルや敵のイメージは、もう少しドスが利いていて、大地を這うような感じの息の長いメロディのモチーフ。これは師匠(松村禎三)の師匠にあたる伊福部昭風の、ちょっと怪獣映画っぽい「低音ブラスでユニゾン」を目指したもの。

「朝廷」
もうひとつ、雅楽風の「雅さ」を漂わせるのが「朝廷」のモチーフ。これは「今様」(当時の流行歌)の節回しを意識したもので、基本はいわゆる平安貴族風の雅なイメージだが、変奏の仕方によっては暗くて不気味な響きも漂うように考えた。

「遊びをせんとや生まれけむ」
これはドラマ全編を通しての「メインテーマ」的な存在で、最初期の台本案には「平清盛~遊びをせんとや生まれけむ」と記されていたほど、全体を貫く大きなイメージである。
当時どう歌われていたかは想像するしかないが、時代考証して本格的に「今様」風に作ったのでは(♪あ~~~~~そ~~~~~~び~~~~~~を~~~~~~というような)きわめて間延びした歌になるうえ、現代の私たちには歌詞が聞き取れない。
そこで、旋法としては平安(雅楽)の香りを残しつつ、ピアノやオーケストラでも変奏可能なもの。分かりやすくシンプルでありながら、微妙なゆらぎを持ち、繰り返しドラマの中で聴かされても飽きないもの。さらに、歌い手の思い入れによってメロディの形が微妙に変化できるもの・・・を目指し作曲することになった。


伊福部昭さんは、『ゴジラ』のあのテーマ曲を作曲された方です。伊福部さんの名前もよく聞くなあ。



曲は、舘野泉さんのピアノソロが、『遊びをせんとや生まれけむ』の旋律を奏でるところから始まります。

遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん 遊ぶ子供の声きけば  我が身さえこそ動(ゆる)がるれ
舞え舞え蝸牛 舞はぬものならば 馬の子や牛の子に蹴させてん 踏破せてん 真に美しく舞うたらば 華の園まで遊ばせん


という、『梁塵秘抄』の中でも有名な歌(の前半部分)に、吉松さんが旋律をつけたものです。鎮魂の意も込めた、静かで、美しい始まりです。


次に、ピアノも単音から和音がつくようになり、ストリングスにもチェロが加わり音域が拡がってゆきます。

そして、その後に現れてくるのは、「清盛」のモチーフ。オーケストラは次第に厚みを増してゆきます。
まるで、平家が、平清盛が、上へ上へとのぼりつめていく様子をみているかのようです。

ピアノの旋律に乗っかって、鳥のさえずりのようにも聴こえるフルートですが、これも「清盛」のモチーフなんですね。

続いて、ホルンも旋律に加わり、弦は「遊びをせんとや~」のモチーフでしょうか。
上へ上へとのぼりつめていく清盛ですが、根幹にはあの歌の記憶。メッセージ。これは、初回の本編を見てからもういちど聴くと、とてもグッとくるものがあります。

清盛の過去であり、生き様にもなるであろう、「遊びをせんとや~」。とても重大なテーマを秘めています。


オーケストラは厚みを増してゆきながら、内に秘めるエネルギーをどんどんと増大させてゆきます。

そして、そのエネルギーが遂に爆発。曲調は変わり、5拍子の荒々しいロックに。
打楽器群が満を持しての登場ですね。

N響の新しい一面ですね(笑)ロックの破壊力は抜群です。
今回の「平清盛」の世界は、雅楽や箏が鳴り響くような「雅な平安時代」ではなく、ダイナミックでプログレッシヴ(先鋭的)な世界=《平安プログレ》がテーマ。》(http://yoshim.cocolog-nifty.com/office/より)
とあります。新しい時代を築いた、清盛ならではのテーマでしょう。

ただ、まだここでも「清盛」のモチーフが奏で続けられます。一番わかり易いのは、ホルンの旋律ですね。
そうやって、さらに上へ上へとのぼってゆく清盛。ホルンが雄叫びを上げ、頂点に手の届きかけた、その時。

地を這うような源氏のモチーフが現れます。

かつては知己であり、良いライバルだった源氏。
対立するも、自分が命を救った、頼朝を始めとする源氏たち。

彼らが、清盛たちに待ったをかけます。

一歩一歩、地を踏みしめて、重々しく、平氏たちを追い詰める源氏たちの影。

そして、そこに見え隠れする「朝廷」の姿。(「朝廷」のモチーフは原型に近い形では出て来ませんね)


そしてやってくる、争い。


平氏たちは源氏との争いに負け、かつての栄光とともに、海の底へと沈んでいきます。

よみがえる、「遊びをせんとや~」の記憶。これが、今の平氏たちの根源であったのです。

そして、「清盛」が、フルートのあの旋律の形で現れます。海の底へと沈んでいく平氏たちを見ながら、走馬灯の様に清盛の記憶を思い出しているかのような印象です。



おそらく、この曲の構成自体が、今回の『平清盛』という作品が一年をかけて描くものそのものであるのでしょう。

吉松さんの「美しさ」が随所に現れています。そして、これまた彼の作品の特徴の一つである、「ロック」。吉松さんの作品としか思えませんね。


ここしばらくずっと、大河ドラマには、クラシック界の作曲家ではなく、映像音楽を専門とする作曲家が起用されていましたから、やはりその方たちの曲に比べると、内容の濃い曲となっています。


ただ・・・吉松さんの作品を聴いていて思うのですが、
吉松さんは、弦の扱い方がとっても美しく、表情豊かな音を引き出すお方だと思います。しかし、(僕が金管を演奏するからなのかもしれないでしょうが)管楽器、特に金管の使い方があまり好きではありません。
表情・色彩豊かな弦に比べて、管楽器、特に金管楽器の音はモノクロームな印象です。

せっかくのNHK交響楽団なんですから、そろそろ、もっとオーケストラを鳴らせる作曲家がテーマ曲を書いて欲しいですね。
映像音楽らしさから抜けだして、だいぶクラシカルな響きではありますが、やはりなんだか勿体無いです。これから先、そういう作曲家が出てきてくれるといいですね。純音楽の作曲家路線で、これから先もNHKが進んでくれることを期待しているのですが・・・


吉松さんは、管弦楽曲も多く書かれていますが、やはり、弦楽オーケストラや弦楽合奏、それと、協奏曲形式の曲が好きです。

『朱鷺によせる哀歌』も弦楽合奏とピアノのための曲です。本当に美しい。

また、鳥シリーズも有名ですが、ここでは『サイバーバード協奏曲』を紹介しておこうと思います。
アルト・サックスとオーケストラのための曲で、吉松さんらしい美しさが漂っています。

特に、2楽章「悲の鳥」は、本当に美しいレクイエムです。吉松さんが、妹さんを亡くされた時に作られた曲だそうです。



美しさともう一つ、ロックについてですが、やはり『タルカス』の編曲が一番有名です。
まあ、『Dr.Tarkus's Atom Hearts Club Quartet』なんてオリジナル曲の作ってますね。
ビートルズの「Sgt.Pepper's Lonley Hearts Club Band」、ELPの「Tarkus」、ピンク・フロイドの「Atom Heart Mother」というロックの名盤をブレンドし、「鉄腕アトム」の十万馬力でシェイクした作品という非常にぶっ飛んだことを語ってられますが(笑)

ここらへんは、CD「タルカス~クラシックmeetsロック」に入ってますので。ただ僕は、このCDに入っている、黛敏郎さんの「BUGAKU」は本当に値打ちがあると思います。




さて、次回からはついに主要キャストが本編に登場してきます。ただ、このテーマ曲がある限り、決して、舞子の存在は忘れることがないでしょう。とても、印象深い「第一話」になりそうです。

↓↓平清盛、美し。↓↓

コメントも!!

あ、mixiから来た方、コチラに戻って「イイネ!」か「コメント」をしてもらえたら嬉しいな♪
スポンサーサイト
17:37  |  鑑賞-music  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

*Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://penpenpensama.blog25.fc2.com/tb.php/526-2155df73

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。